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屋良朝博さんの講義文字おこし~標的の村上映会にて~①

標的の村」を観た後、沖縄からいらした屋良朝博さんの講義がありましたので、
自分のための忘備録とともに、こちらに書きおこしいたします。
まずは、講義前のお話です。

「みなさん、こんにちは。お越しくださりありがとうございます。今日、ここに着いてすぐにここのスタッフの方から、ちょっと衝撃的なニュースを聞きまして。辺野古で反対運動を続けている人たちが...テント村がですね、襲撃されたということですね。昨日の夜、何者かが入って来て、掲示物とか看板とかをメチャクチャにしていったということを、先ほど教えていただいて、僕はビックリして、元同僚である沖縄タイムスの記者にすぐ電話をして現状を教えてもらったんですけども、誰がやったかよくわらないと。ただあまりにもメチャクチャになっているのでこれはイタズラじゃなくて何か政治的な意図があるんじゃないかと皆感じています。ただ怪我人がなかったということは幸いなことです。昨日、そういうことがあって、今朝座り込みをしている住民が発見して通報したという状況です。
映画で観てもらった通り、スラップ裁判とか、住民が嫌だと言ってるのに...子どもの訴えじゃないですけども、何でもないよくわかんないことがあまりにも多すぎて、それをどう処理していいかわからない、もう混乱しているという状況で、こちらに着いて、ちょっと困惑しているという状態です。
映画の中で防衛局の職員が『わたし達に何を言ってもらっても、アメリカの運用については何もできることはありません』というようなことを喋っていたの、ご記憶にありませんか?
で、防衛局の局長さんが、オスプレイが配備されるかどうかで、しらばっくれるシーンがありましたよね。
そうするとですね、日本という国は外国の軍隊が動いているということに全く中身がわかってないし、で、平気でウソをつく、と。オスプレイが開発されたのは1990年代の初頭です。僕は93年頃にアメリカを取材して、ロッキードを取材したりしたんですけれども、その時すでにオスプレイの開発が始まってて、その開発担当者は、オスプレイが完成した時には、沖縄に配置されますね。ということを言っていたんですね。
これはちょっと考えればすぐわかることで、オスプレイっていうのは、ヘリコプターの後継機になります。
で、ヘリコプターを使って海兵隊は沖縄に行くと。そうすると、沖縄に配備されるということは、オスプレイができた時から想定されていたことなんですが、ぎりぎりまで政府は認めなかったということですね。
政府はウソを言うは、で、外国軍は何をやっているのかわからないということを平気で言うんです。
で、はたまた反対をしている人たち、住民に対して危害を加えそうな勢力が、沖縄でどんどんどんどん力をつけてゆく、という風な現状があると。とても怖い空気になっています。
そこで僕らは何をしなければいけないかということをよく考えなければいけないと思いますけども、わたしが今できることは、おそらくそのオスプレイを使っている海兵隊の機能が何なのかということを情報提供して、海兵隊が沖縄にいなければならない必然性は何なのかということをお伝えしていきたいと思います。
僕が取材をしていてよく言われるのは『沖縄の人たちがやっていることはわかる。こんなに沢山基地があるのは、大変なことだというのはわかるけれども、だけど、国際情勢が厳しくなってるでしょ?尖閣っていうのは沖縄県にあるでしょ?中国が来たらどうすんの?みなさんが言ってることは正しいし、みなさんの主張はよくわかるし心が痛む。だけど、これは仕方がないんだよ。』
と理解されているのが、日本国内では一般的なイメージではないでしょうか。ただ、それが正しいのかということを判断する材料をわたし達は持っているかどうかというところなんですけども。その基本的な情報がとても少ないんです。なぜかというと、あれだけ普天間を叫ばれた鳩山元首相がですね、辞めないといけなくなってしまうくらい、一国の総理大臣が、外国軍のただひとつの飛行場移設の問題で、首をかけてしまう国。とても恐ろしい国だと思いますね。あれだけ報道されて、何度も何度もニュースや新聞の一面を普天間という文字が飾ったわけですが、果たして普天間について、わたし達はどれだけ理解しているのだろうか。
普天間にどれだけの航空機が配備され、なぜ彼らは普天間を必要としていて、それを使っている海兵隊は、なぜ沖縄にいなければならないのか。そういった基本的な情報は全く報道に出てこなかったのではないでしょうか。おそらく報道する側もわかってないと思うんです。
で、わかってない中で総理大臣ひとりが首を切られてしまう。シビリアンコントロールのトップですけど、外国軍の運営を維持するために、日本は総理大臣ひとりを首にしちゃったと、すごいことが起きているのだけども、そういったことも、なかなか僕らが敏感に反応できないという現状があります。
なので、ちょっとした基礎知識になりますが、与えられた時間も短いですが、サーっと沖縄の基地の問題をおさらいしてみたいと思います。
by normalin | 2014-06-22 17:40 | 社会
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