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ウランの光

わたしは、今、とても怒っている。
自分でも気付かなかったけれど。
「この”今”を、ありのままを”見る”」というヨガを毎日しているというのに。だ。
同僚から「元気がないね」と言われ、気付いたところ。
そう、元気がないのは怒りを隠そうとしているからなのだろう。
元気のないわたしに周囲はとても優しい。
「あなたのことが好き。」とメールで告白もされた(笑)。同性の方だけど。

しかし、どんな怒りなのかそれがわからない。
だから、書こうと思った。
本当は、こういう場所には気持ちが落ち着いたら書くべきなのだと思っていたけれど
そんな時間がいつやってくるのかわからないし、
今、この瞬間の自分の気持ちを文字にすることは意味があると思った。

わたしは、あまり感情を出せない人間だ。・・・だった。
環境がそうさせたとか、そういう話は今ここではするつもりはない。
けれど、閉じていた心が開いていったのは音楽だった。
初めて買ってもらったシングルは山口百恵の『ひと夏の経験』。
また、イルカのアルバムとABBAのアルバムのどちらにしようかと悩んだあげく
ABBAのアルバムを買ってもらい、中学生の頃からどっぷり洋楽にはまっていった。
洋楽の歌詞にはわからなことが多い。
それを調べ、ライナーノーツの解説に出てきた本などを読んでゆくうち
わたしは日本人がどうして、社会的な歌を歌わないんだろうと思ったものだ。
いや、歌っていた人はいる。
けれど、ヒットするのは恋愛ものばかり。
日本って平和なんだと思った。
けれど、何かが物足りなかった。
美しいだけに思えた愛の歌だけでは・・・。

中学生の頃、公民の授業の始まり、だったと思う。
先生が「何でもいい。疑問に思うことを書いて。」と言ったので
わたしは「日本は被爆国なのに、どうしてまた原爆と同じ方法で電気を作っているのか?」
と書いた。原発という言葉がわからなかったからこんな書き方をしたと思う。
また、そのシステムだってよくわかっていなかったし。
先生は特にそれを発表しなかったので、質問しに行った。
けれど、先生が困ったような笑みを浮かべているうち
他の生徒達が押しかけたことで何の回答も得られなかった。
いや、何か言ったのかもしれないが。

その曖昧な表情をもう一度別の先生に見ることになる。
それは第二次世界大戦の本を読んだときのこと。
どんな本かというと、日本が様々な国で行ってきたことについて書かれたもの。
読めば食事も摂れなくなってしまうほどの内容だ。
戦争はただただ悲惨で悲しいなんてもんじゃない。人を簡単に狂わすのだ。
わたしは担任の先生に
「どうして、こういうことが教科書に書かれないのか?」と質問したが無言のままだった。

教科書に書かれていることなんて、ほんの上澄みに過ぎない。
いや、上澄みどころかどうでもいい内容ばかりに思えた。
くだらない。
真実を教えない教育なんて、なんて不親切なんだ。
と思ったとたん、わたしは受験勉強そっちのけで哲学書ばかり読むことになった。
もちろん、わたしの人生の上でそれは”レールを外れた”瞬間だったのだけど(笑)

ただ、怒っていた。
怒りながら本を読み、音楽を聴いていた。
どうして、こんなに大切なことを知らないのだろうと。
親も、そして周りの人も。
いや、知らされていない、ということに。
けれど、口にしてはいけないんだと思った。
そういう国なんだと。
そう感じてから、とても居心地の悪い場所になった。

海外のアーティスト達は、来日するたび口を揃えて
「キレイで、親切な国」だと言う。
わたしも、そうは思う。
だが、この言葉を耳にするたび身体のどこかが”ざわざわ”した。
汚いものを隠すことが上手なのでは?
本当に親切・・・?と。

ここまで書いてもイマイチ怒りの根源がわからない。
ただ、思い出したことがある。

20数年前、とある店で「ウランガラス」というものに出会った。
ウランの光_e0150495_19314254.jpg

ウランと聞けばあの恐ろしい核。
グラスの前には「身体に及ぶ危険性はありません」とあった。
ロシア製だったと思う。
あまりにも美しくてしばし見とれた。その場を離れられなかった。
が、しかしそれを手に取ることは出来なかった。

話は違うが、核が分裂する光はとてもキレイだそうだ。
「あの光は何だろう?」と吸い寄せられた原発作業員が被爆したという話を
ずい分前にどこかで読んだ記憶がある。
ウランガラスは、ヨーロッパが発祥だ。日本でも作られていたそうが
第二次世界大戦を境に製造は終わったとのこと。
それは原爆が投下されたからだろうか・・・。
どういう理由かはわからないにしても、
あの時から日本は何かを封じることに力を注いできたようにも見える。
それを「美」という曖昧な表現に変えて。

そうだ。

わたしも同じ。

怒ることは、とてもエネルギーが要る。
それを封じなければ日々がしんどい。
どうやったら怒らなくて済むかということばかりを考えていたかもしれない。
周りを見ながら、、、自分の受け取られ方ばかりを気にしていたかもしれない。

そんなのもうやめよう。
時間がない。

表面的な「美しさ」は目が眩み、強そうだが「毒」がある。。。
ウランの光_e0150495_20191776.jpg

陽子はプラスの性質がある。
プラスとプラスは反発する。
それが抑え込まれて、原子の中心に集まる。
この反発力よりはるかに強力な抑える力が『核力』。
陽子が入れば入るほど、核力も大きい。
陽子がいっぱい入ってる「ウラン」の核力は、最強。

だが、本当の”美しさ”なら、もっと最強なはずだ。
by normalin | 2011-04-04 20:45 | 雑記
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